中学受験を考えたときに、私立と公立中高一貫校の受験は違うというのを聞いたことがある方も多いのではないでしょうか。塾によっては公立中高一貫校の受験対策に力を入れているところもありますよね。今回は中学受験における、私立中学校と公立中高一貫校(東京都)の違いについて、わかりやすく説明します。

違いは選抜方法や学費など

私立中学校と公立中高一貫校では、まず選抜方法や出題範囲、倍率や学費も違ってきます。

ここではそれぞれの違いについて細かく説明していきます。

大きな違いは選抜方法

一番の違いは選抜方法です。

私立中学校は学力試験を基準に合否が決まりますが、公立中高一貫は報告書の提出、適正検査、作文をメインに合否が決まります。

私立中学校は、国語、算数、理科、社会の4科目受験、2科目受験をメインに、1科目受験など学校によりさまざまです。

最近では公立中高一貫校のような適性検査を組み込んでいる学校もあるようですが、基本的には受験時の学力試験の結果で合否が決まります。

公立中高一貫校の選抜方法は主に報告書の提出、適正検査(作文含む)。

報告書は高校受験では内申書と呼ばれるようなもの。小学校の先生に記載していただくもので、普段の成績や学校での様子が選考対象になります。

主に5、6年生の成績が対象になることが多くなっていますので日常の過ごし方にも気を付ける必要があるでしょう。

適正検査では、教科横断型の問題が出題されます。例えば国語に即した資料を読み込んだ後に算数の計算をして答える問題や、社会の資料を読んだ後に自分の考えを述べるような問題などです。

読解力や計算力、自分自身で考えて問題を見つける力、表現力などが試されます。

出題範囲

私立中学校受験では小学校での学習範囲を超えた問題が出題されます。

高校入試で出るようなレベルの問題や、中学で習う内容など、小学校で習うことだけでは解けない問題が出るのが特徴です。

公立中高一貫校の出題範囲は小学校で習う範囲ですが、その知識を活かして思考力や判断力、伝える能力などの総合的な能力を測ります。

小学校で習う範囲が出題範囲とはいえ、知識があるだけでは点数がとれないので、適正検査に向けた対策が必要です。

倍率

倍率は私立、公立中高一貫ともに学校によって変わります。

公立中高一貫校は私立中学校に比べて学校数が少なく、さらに検査日が同じなので受検できるのは1校のみ。狭き門です。

2023年現在、東京都の公立中高一貫校は11校(都立10校、区立1校)で、倍率は5倍前後と言われています。

この倍率で合格を勝ち取るためには相当な努力と運が必要でしょう。

私立中は学校や受験科目、受験日や受験時間によって大きく変わります。

多くの学校ではチャンスが何度かあるので、得意科目とスケジュールを確認したうえで調整すると良いでしょう。

ただ、受験日が遅くなるほど倍率が上がる傾向がありますので、本命校は早めに受験することがおすすめです。

入学後の学費

中学受験をするからには入学後のことも考えなくてはなりません。

私立と公立中高一貫校では入学後の学費にも大きな差があります。

一般的に考えても私立の方がお金が掛かるというのはイメージできますよね。

公立中高一貫校は6年間で約150万円前後、私立では6年間で600万円前後と言われています。

私立は学校によっても違いますが、公立に比べて各段に違いがあります。

私立か公立か、早めに決めて対策を

このように私立と公立では選抜方法や学費が違います。

特に選抜方法については子どもの特性によって得意不得意があるはずです。

子どもの特性やご家庭に合った受験を選ぶことが必要でしょう。

私立と公立では受験対策が違ってきますので、早めにどちらを本命にするか決めて対策を立てるのがおすすめです。